私の本棚 第5回

イノベーション(3)

TOP画像:私の本棚 第5回「イノベーション(3)

初心者必読の本から上級者向けの本、「座右の書」などを推薦者のコメントとともにご紹介するコーナー。第5回のテーマは、「イノベーション」です。価値ある一冊に巡り合う一助となれば幸いです。

写真:日本ユニシス株式会社取締役常務執行役員 CAO・CDO 葛谷幸司

今回の推薦者
日本ユニシス株式会社
取締役常務執行役員
CAO・CDO
葛谷幸司

ソフトウェア・ファースト
あらゆるビジネスを一変させる最強戦略

当社内で主にエンジニア向けの研修やアジャイル開発組織の構築に向けた支援・助言をいただいている及川卓也氏の著書。本書では、彼がMicrosoftやGoogleでプロダクトマネジャーやエンジニアリングマネジャーとして経験した方法論をベースに、日本企業で応用可能なポイントが分かりやすく解説されている。著者が提唱する「ソフトウェア・ファースト」概念は、経営者には自社システムの在り方を見直し、より発展させるための手法として役立つだろう。また、エンジニアには、「自身のキャリアパスにとって何が大事なのか?」を考えさせ、「自らの環境をどのように変えていくべきか」を指し示す。本書ではさらに、昨今バズワードとなりつつある「DX(デジタルトランフォーメーション)」の本質とは何か、そしてこれらを推進する組織変革にも言及しており、エンジニアのみならず幅広い人に参考となろう。

[著]及川卓也
[出版社]日経BP
[発行年月]2019年10月

社会変革のためのシステム思考実践ガイド
共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する

米国ではいくら支援してもホームレスは増え続ける、厳しく取り締まっても犯罪は減少しないなど、さまざまな社会的課題に直面している。そして日本も“課題大国”とされ、高齢化や児童虐待など多様な社会課題が次々に表面化している。一方、企業、団体、組織の壁を越えた社会全体の幅広いコラボレーションにより課題解決に取り組む動きもある。この潮流の中、「コレクティブ・インパクト」手法が注目されている。近年、いくつも関連イベントが開催され、2018年には政府の「骨太の方針」にも盛り込まれた。著者は、米国で20年以上にわたり「システム思考」を用いて社会変革に取り組んできた。本書はその豊富な実践から生まれた複雑な問題解決の本質に迫るアプローチが紹介されている。今後、社会課題解決に取り組もうと考えている方に読んでいただきたい一冊。

[著]ディヴィット・ピーター・ストロー
[出版社]英治出版
[発行年月]2018年11月

【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド
[新装改訂3版]

「DX」「AI」「IoT」「MaaS」といった3~4文字で表現されるITキーワードや「MR」「量子コンピュータ」など最新トレンドについて、背景を踏まえて分かりやすくビジュアルに解説しているのが本書。ITに従事されていない方々に向けても、最新のITトレンド理解を深めるため大変参考となる。著者の斎藤昌義氏は、当社内での講演をはじめネットコマース社のWebサイトやブログ、各SNSなどを幅広く利用して積極的に情報発信を行い、資料の無償公開も実践している。この中で、SIerとしては多少耳の痛い苦言やアドバイスもあり、IT業界に身を置く方にも参考となる情報も多く発信している。ぜひ興味ある方はこれらも併せて閲覧してみてほしい。

[著]斎藤昌義
[出版社]技術評論社
[発行年月]2020年2月

ビジョナリーカンパニー
弾み車の法則

世界で最も影響力のある経営思想家とされるジム・コリンズ(Jim Collins)。本書は、彼の「ビジョナリーカンパニー」シリーズの最新刊である。Amazon創業前にジェフ・ベゾスが仲間とミーティングした際、テーブルの紙ナプキンに書いた(有名な)ループ図を「弾み車」として示すところから始まり、Amazonやインテルがものすごい勢いで急成長できた秘訣もまた「弾み車」にあると分析して、その考え方や構築方法を解説している。本書は、100ページ足らずで、2時間もあれば熟読可能だ。さらに、企業のみならず地域イベントや学校での事例も挙げられており、さまざまな分野や組織運営などにも応用できるだろう。まずは、担当しているビジネスや自社事業の「弾み車」を描き、さらにそれらを明確化することで、何かしら成長(または課題)へのヒントが見えてくるのではないだろうか。

[著]ジム・コリンズ
[出版社]日経BP
[発行年月]2020年1月

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