充電から課金決済までフル対応「Honda Charging Service」がスタート

「smart oasis® for charging」を基盤に充電カードサービスを構築

本田技研工業(Honda)は2030年をめどに四輪車グローバル販売台数の3分の2を電動化することを目指し、東京モーターショー2017に新型のプラグインハイブリッド車「CLARITY(クラリティ) PHEV」を出展。2018年7月20日の一般販売開始と同時に、充電カードサービスを提供する「Honda Charging Service」をスタートした。

月会費を2年間無料とし
車両購入者全員の入会を目指す

2050年までに世界のCO2排出60%削減を目指すCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)合意、企業全体で2030年までに平均燃費を50%削減することを義務づけたCAFE(企業平均燃費)規制など、内燃機関を搭載したクルマに対する規制が厳しさを増す中、自動車メーカー各社にとって、電動化へのシフトは“待ったなし”の状況となっている。

本田技研工業株式会社 日本本部
営業企画部 エリア企画推進課 チーフ
森谷翔太氏

そうした中でHondaは2018年7月20日、前年の東京モーターショーに出展して話題を集めた「クラリティ PHEV」の販売を開始。満を持して電動車市場に本格参入した。本田技研工業株式会社 日本本部 営業企画部 エリア企画推進課 チーフの森谷翔太氏は、「Hondaはこれまでも『フィット EV』や『アコード PHEV』などの電動車をリースで提供してきましたが、国内市場向けに一般販売するプラグインハイブリッド車としてはクラリティ PHEVが初めての展開となります。高い環境性能に加え、モーターによる力強いEV走行性能、また114.6kmという圧倒的なEV航続可能距離を実現しました」と力説する。

そして、これと併せて開始したのが電動車への充電サービス「Honda Charging Service」である。Honda販売会社(Honda Cars)に設置された急速充電器のほか、日本充電サービス(NCS)ネットワークサービスに加盟・提携する全国の高速道路SAや道の駅、ショッピングセンターなどに設置している充電ステーションをスムーズに利用できる会員制サービスだ。本田技研工業株式会社 日本本部 商品ブランド部 商品企画課 チーフの河津健男氏は、「Hondaのお客さまにできるだけ金額的な負担感なく会員カードを持っていただけるよう、月会費を2年間無料としました。クラリティ PHEVを購入していただいたお客さま全員に入会いただくことが目標です」と意気込みを示す。

協業の決め手となった
的確で親身なレクチャー

とはいえ、国内市場における充電サービスへの参入は後発となるHondaにとって、先行メーカーを一気にキャッチアップするのは容易なことではない。そこで、Honda Charging Serviceの基盤として採用したのが、日本ユニシスが提供する「smart oasis for charging」である。これは、急速充電器を利用する会員の認証や充電サービス管理に加え、充電サービス利用料の課金・決済サービス、ユーザーサポートサービスまで、一貫して支援するモビリティサービスプラットフォームだ。「仮に自前でサービス体制を構築するとしたならば避けることができないであろう巨額の投資と膨大な時間を、smart oasis for chargingを活用することで大幅に削減することができました」と森谷氏は語る。

もっとも、クラウドベースのモビリティサービスプラットフォームは、現在では複数のベンダーから提供されるようになった。そうした中でHondaは、なぜ日本ユニシスと協業する道を選んだのか。

本田技研工業株式会社 日本本部
商品ブランド部 商品企画課 チーフ
河津健男氏

河津氏は、「ライバルである他の自動車メーカーを含めて充電カード発行の実績が最も多いのがsmart oasis for chargingであり、同時にサービスとコストのバランスも非常によく取れている点に魅力を感じ協業の道を選びました」と説明する。そして強調するのが、日本ユニシスの親身な対応である。「実は充電サービスのスキームを企画せよと会社から指示されたのは2017年5月ごろだったのですが、当時は基礎知識もほとんどない状態で、充電サービスを取り巻く環境や市場の動向、それに関わるシステム構造も分からないことだらけでした。そうした中、日本ユニシスの営業担当には私たちの疑問にスピーディーに対応していただきました。今回、クラリティ PHEVの発売と同時にHonda Charging Serviceをスタートできたのは、こうした日本ユニシスの的確なレクチャーのおかげです」(河津氏)

リアルタイムの情報提供で
会員のニーズに寄り添う

Honda Charging Serviceの会員は、専用のカードを用いた利用者認証によって各所の充電ステーションを利用することが可能となり、料金は登録されたクレジットカードから引き落とされる。また、Honda Cars各店に設置された急速充電器は通信機能を内蔵し、smart oasis for chargingのデータセンターと常にデータをやりとりしており、充電器の状態を遠隔から監視する。

「Honda Charging Service」の利用者カード(左)と
「Honda Cars」に設置した急速充電器(一例)

一方、会員に対しては、Hondaインターナビとsmart oasis for chargingを連携させることで、インターナビの画面に最寄りの充電スタンドの位置情報や利用可能時間、Honda Carsの急速充電器の満空情報などを提供する。

PHEV用カーナビゲーション(Hondaインターナビ)の利用者は、最寄りの充電スタンドの
位置情報や利用可能時間などの情報を確認することができる

ここでHondaが特にこだわったのが、会員に提供する情報の“鮮度”だ。情報の更新が遅い場合、「マップ上で『空いている』充電ステーションを探して駆けつけたのに、すでに別のお客さまが利用されていたなど、お客さまに大変なご迷惑をかけてしまいます。そこでHonda Carsの急速充電器だけではなく、NCSネットワークサービスが管理している充電ステーションについても、最新情報が常に更新されるように日本ユニシスにお願いしました」と河津氏は語る。この結果として、リアルタイムに近い情報提供が可能となった。

そして今後もHondaは、東京モーターショー2017で公開したコンセプトモデル「Honda Urban EV Concept」など、電動車拡大に向けて取り組むとともに、Honda Charging Serviceをベースとして充電サービスをさらに拡充していく考えだ。

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